この世の試練は、魂を磨くための機会であり、私たちに選択を求めている
スウェーデンボルグは、自身が観察した教会での「信仰」の在り方について、それが不完全であると考えていた。
「現在の信仰は、教会が教えていることをそのまま受け入れるだけのものだ」と彼は言う。「『信じて疑わないように』と教えられ、もし『理解できない』と言えば『だからこそ信じなさい』と言われる。このような信仰は無知のままに盲目的に従うもので、真の霊的信仰ではない」(『信仰について』newchristianbiblestudy.orgの日本語訳)
キリスト教会の多くは、知識を提供するよりも「素直に信じる」ことを求めていた。しかし、ヘレンのように深刻な試練に直面している人々には、「ただ信じる」というだけでは十分ではなかったのかもしれない。
ヘレンが出会ったスウェーデンボルグの思想では、天国と地獄が実在し、人間は永遠の命を持つと説かれていた。そこで、この世の苦しみは魂を磨くためのものであり、常に選択を迫られていると考えられていた。
「どんな出来事や障害にも選択の機会があり、選択は創造である」(Helen Keller “My Religion”)
同じ苦しみを経験しても、ある人は他者を助ける道を選び、別の人は不満の人生を選ぶ──ヘレンは、何を選ぶかが神からの試練であると悟った。
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