働き方改革 2024
ここでは「働き方改革」の背景について、2つの点を説明します。
まず1点目は、長時間労働が原因で発生する過労死の問題です。
過労死ラインとされる100時間を超える勤務により亡くなった方の遺族が運送業者を訴え、賠償を求める事例があり、トラック運転手の過労死が深刻な問題となっています。厚生労働省のデータによると、令和4年度の「道路貨物運送業」における労災認定(脳・心臓疾患)は56件で、これは次に多い「卸売業・小売業」の2倍以上であり、全体の約30%を占めています。
次に2点目は、長時間労働にもかかわらず低賃金であることです。
厚生労働省の調査では、トラック運転手は全産業の平均より約20%長く働いているにもかかわらず、平均所得額は約10%低いという状況が示されています。このような状況を改善するため、政府はトラック運転手の時間外労働の上限を設定し、労働環境の改善に取り組んでいます。
一見すると、政府が推進する「働き方改革」はトラック運転手にとって歓迎すべきもののように見えますが、必ずしもそうとは限りません。
その理由の一つに、自らの意志で長時間働き、より多くの収入を得たいと考えるトラック運転手の存在があります。あるドライバーは「この仕事の大変さは理解して選んだ。労働時間が減ることで収入が減るのが心配だ」と述べています。
厚生労働省のデータによれば、残業代が月収の20%以上を占めており、労働時間が制限されると収入が減少してしまいます。このため、既に退職を考えているドライバーもおり、物流業界の人材不足がさらに深刻化する可能性があります。
要約:http://hrp-newsfile.jp/2023/4458/
働き方改革 運送業 給料下がる
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