樹木葬の人気上昇と共に増加するトラブル
最近では、自然と一体になって眠りたいと願う人々の間で「樹木葬」が注目を集めています。
一方で、その人気が高まるにつれて、さまざまな問題も発生しています。
樹木葬とは、遺骨を墓石の代わりに木の根元やその周辺に埋める形式の埋葬方法です。
自然に帰りたいという希望を持つ人々にとって魅力的な選択ですが、その一方で、埋葬地の維持管理や遺族への負担、法的な課題などが表面化してきています。
樹木葬を選ぶ際、多くの人々は「自然と調和した静かで平和な眠り」を期待します。
しかし、実際には運営体制の不備や、十分な説明が行われていないこと、契約内容に関するトラブルが後を絶たず、望んだ通りの埋葬が実現しない場合も少なくありません。
例えば、埋葬地の維持が適切に行われないケースや、運営側が責任を果たさない、さらには霊園が閉鎖してしまうといった問題も報告されています。
さらに、樹木葬は一般的な墓地と異なる法的扱いを受けることが多く、土地の使用や許可に関わる問題も絡んでくることがあります。
特に、地域の条例や規制に従っていない樹木葬施設が、後に閉鎖されるケースがあり、その結果、遺族が困惑する状況に陥ることもあります。
死んだことがわからない霊が増え、「この世地獄」増大につながる懸念
秋分を中心とした前後三日間を含む七日間は、秋のお彼岸とされています。起源についてはいくつかの説がありますが、太陽が真西に沈むこの時期に、西方の極楽浄土にいる先祖を偲ぶという意味があるとも言われています。この期間中、お墓参りをして清掃を行ったり、供物を捧げる人も多いでしょう。
しかし、このようにお墓で先祖を供養する日本の宗教的慣習は、急速に衰退しています。注目されたのは、2022年に「樹木葬」が新たに購入された墓の半数を超えたという調査結果です(全国お墓消費者実態調査)。樹木葬とは、墓石の代わりに木を墓標とし、その周辺に遺骨を埋める埋葬方法です。